福山のマチュピチュを未来につなぐ【福山市立大学生による紹介レポート③】

2023年11月22日 掲載
登録団体紹介

福山市立大学都市経営学部では「都市社会実践演習」という授業(担当:宮前良平)でまちづくりサポートセンターに登録している団体に取材に行ってきました。今回は学生からの報告第3弾です。

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こんにちは!私たちは福山市立大学都市経営学部3年生です。今回は授業の一環で、「別所砂留を守る会」さんに活動内容についてお話をお伺いしました!!!

実際に活動に参加させていただきました!

2023年10月22日(日)に、別所砂留を守る会の光成良秀さんにお誘いいただき、ロッククライミングロープを用いた砂留の雑草除去作業、登山路の確認・整備、トイレ掃除などのお手伝いをさせていただきました。別所砂留を守る会は、土木学会選奨土木遺産に認定された別所砂留を、草刈り、砂留の石組みの土砂の除去作業等を通して整備・保存し後世に伝える活動をされています。実際に作業に参加してみて、こんなに大変な作業を長年続けられていることに驚きました。また、想像していたよりも大変でしたが、作業をした場所が目に見える形できれいになっていくところや、草で覆われていた砂留の迫力が増しているのを見てやりがいを感じました。とりわけ、参加者の皆さんが楽しみながら作業されていたのが印象的でした。

「別所砂留を守る会」さんと私たちがおすすめする別所砂留の見どころ

一番のおすすめは10番砂留です!江戸期の砂留の中で最も高い堰堤、堰堤の天端が緩やかなアーチ状、堰堤のほぼ全幅が越流部になっていて、自然の勾配に沿って石が敷かれています。実際に見て、他の砂留と比べて石が高く積み上げられ、綺麗なアーチ状をしていて、江戸時代に造られたものとは思えないほど綺麗でした。

また、四季折々の景色もおすすめです!春には4番砂留周辺に満開の桜が咲き、秋は紅葉・栗・どんぐり、冬には雪景色と季節に沿った景色の移り変わりを楽しむことが出来ます。

現代の砂防ダムは、すべてコンクリートで構築されていますが、耐用年数は50年程です。それに比べて別所砂留は300年が経過しているそうです!!砂留は土砂が満杯になれば嵩上げ出来るので、江戸時代に構築された砂留が現代でも機能しているそうです。

大切にしていること

「別所砂留を守る会」として大切にしていることは、若い世代に日本一の砂留があることを知ってもらうとのことでした。団体の皆さんは口を揃えて「これだけの砂留は全国でも唯一なんだ」と仰っていました。皆さんは別所を土砂災害から守るために構築している砂留を維持することに誇りを持って活動をされています。福山市の方に「江戸時代に構築された別所砂留があること、その砂留が土砂災害を防いでいることを知って欲しい」と言われていました。

また、団体の高齢化が進んでいるため、今後は将来のリーダーを見つけ、少しずつ若い世代の参加者を増やしていく必要があるとおっしゃっていました。そのための活動の1つとして、地元の福相小学校6年生を対象に訪問授業と見学会を行っています。「大人になって、『あなたの故郷はどんなところですか?』と聞かれたら、江戸時代に構築された日本一の別所砂留があると誇りをもって言えるようになってください」と伝えているそうです。

私たちが見つけた会の魅力

アットホームな雰囲気がとても素敵でした。今回、実際に活動へ参加させていただき、「別所砂留を守る会」さんの温かい雰囲気に惹かれました。地域の方々や学区外から来てくださる方、行政・マスコミの方々も、参加された方々と会話することが楽しく、ストレスがなくなると言っているそうです。「別所砂留を守る会」の会員さんも、まるでふれあいサロンか井戸端会議だとたとえていて、楽しい場所になっているそうです。近年、地域のつながりが薄れていることが社会問題に挙げられることがありますが、活動に参加することで地域内外とのつながりができる点が良いなと思いました。

福山市 まちづくりサポートセンター

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